市民公開講座(市立柏原病院主催)で講演しました
2024年6月8日、市立柏原病院が主催する市民公開講座で講演をしました。
今回の講演は、病院から「人生会議」をテーマに話していただけませんかとご依頼を受けたものです。
柏原市からのご依頼は、2019年3月14日に「地域連携緩和ケアシンポジウム」でお話をさせていただいて以来になります。コロナが流行する前、もう5年も経過したなんて驚きです。
当時の様子は以下の記事をご覧ください。
今回の講演のテーマである「人生会議~大切な人に自分の思いを伝えませんか~」は、職種を問わず普遍のテーマです。そして一般市民の皆さんにも大切な話題なので、分かりやすいように、明日から実践していただけるような内容に仕上げました。
「望まない救急搬送がとても多い」という残念な事実を知り、望まない治療を受けざるを得ない状況が発生する前に「何かできることはないか」と考えたのが、私たちが在宅医療への道に進むこととなった第一歩でした。
その役割は、自宅で医療を提供するだけではありません。
患者さん、家族さんにとって、より良い環境で最後の時が迎えられる環境が作れないか、望まない救急搬送を減らせないか。
そして、「最期まで住み慣れた自宅で療養できる医療、看護、ケア」を提供するために、在宅医療の道へ進むことを決意しました。
後悔しないための会話が「大切なひとに、自分の思いをつたえること」なんです。
ありふれた日常の中で、大切にしている人がどんな考えを持っているのかを確認し合う、話し合うことが大切です。
なぜ「大切なひとに、自分の思いをつたえること」が必要なのか?
それは、自分のことは自分しかわからないからです。
自分がして欲しいと思うこと と 家族のしてあげたい と思うことは決して一致するわけではないんです。
思いは伝えないと実現しません。
「人生会議またはACPという言葉を聞いたことがありますか。ある方は挙手をお願いします」
講演ではいつも、こんな質問を投げかけています。私たちが東大阪の公民館でお話をする機会も増えましたが、どの会場でも手をあげられる方はまだ極々少数です。
決して手を挙げるのが恥ずかしかったからではありません。
やはり、医療・介護にたずさわらない方には、人生会議の大事さどころか、その存在さえ広まっていないようです。
ありふれた日常の中で、大切にしている人がどんな考えを持っているのかを確認し合う、話し合うことが大切だと、理解していただきたい。
そのために、微力ながら活動のペースをあげていかなければなりません。
ALP(アドバンス・ライフ・プランニング)についてお話ししておきます。「C=ケア」ではなくて「L=ライフ」つまり、どう生きるかです。
私たちは、病気を発症した後で「どこでどのように医療・ケアを受けたいか」を考えるACPよりも、もっと手前の健康な時から人生観や死生観をもとに「自分は何を大切にしているのか」「どのような人生を歩みたいか」についてを考えるALPが重要だと考えています。
今、何でも食べられる状態だと想定して、縁起でもないですが、今晩の夕食が最後の晩餐だったとしてみます。
あなたは「何を食べたいですか? 誰と食べたいですか? それはなぜですか?」
ここで大切なことは、何を食べたいか…よりも、誰と食べたいかだと私は考えます。
その一緒に食べたいと思った方が、あなたにとって最も大切な方なのではないでしょうか。
「我が家には人生会議など必要ない」と思われる方もいるかもしれません。死んだときの想定で話すなんて不謹慎だという意見もあるでしょう。
でも、「家族は私の気持ちをわかってくれている、察してくれている」のでしょうか?
たしかに理解し、察してもくれているはずです。でも、本当の自分の気持ちや自分のことは自分にしかわかりません。
看護師として感じたことは、
「患者さんがして欲しい」ことと
「家族のしてあげたい」 ことは必ずしも一致しないのです。
思いは伝えないと実現しません。
そして、あなたの思いを伝えておくことで、ご家族やご友人の心の負担は軽くなります。
「大切なひとに自分の思いを伝えること」で希望の扉が開かれます。
この先も気軽に人生会議・縁起でもない話ができるような地域にすべく、多くの場所でお話ししていきます。
そして、ご入用があれば、いつでもどこでもお話しさせていただきますので、私どもまでご相談ください!
お問い合わせフォームはこちらに設置しています。
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日時:令和6年10月5日(土)18:30~20:00
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東大阪市長田東1-2-34(コインパーキングあり・有料)
大阪メトロ・近鉄けいはんな線「長田」駅徒歩1分
定員:40名程度
対象:どなたさまでも(職種は問いません)
会費:2000円(コーヒー+スパイスカレー(ミニサイズ))
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