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小地域ネットワーク「介護予防事業」講習会で講演しました。

 

地域包括支援センター「レーベンズポルト」さんは、月1回「認知症カフェ(仮称・現在ネーミングを選定中)」を開催されています。

そこで出会った東大阪市社会福祉協議会の坊下太喜さんから、森河内校区(東大阪市)の高齢者の皆さんを対象に「人生会議・ACPについて考える」をテーマに講演する機会をいただきました。

「人生会議などいらない」という人はまだ多い

コロナ禍も少しずつ落ち着きを見せ始めており、人数制限を設け、しっかりと感染対策を施したなかでの、ライブの講演。

森河内公民分館では、笑い声や真剣な表情など、ライブならではの良さを改めて感じることができました。

小地域ネットワーク「介護予防事業」講習会で講演

 

「人生会議=ACP(アドバンス・ケア・プランニング)は大事」と盛んに言われてはいるものの、なかなか縁が遠いままで

「わしには、このような前もっての話し合いは必要ない!」
と思われている方も多いとのこと。

自分事と思っていただけない高齢者のみなさんに、少しでも「身近なことだと感じてもらいたい」というのが、今回の依頼の趣旨でした。

・明るく楽しい話で
・在宅医療のリアルを交えて

講演してほしいというご希望を踏まえて、お話しさせていただきました。

森河内公民分館 地元の方に多く集まっていただきました

講演で紹介した「たしかなこと」

今回の講演のタイトルともなっている

『ありたい自分であるために たしかなこと
~大切なひとに届けませんか~』

についてご紹介します。

小田和正さんの曲「たしかなこと」の一節をご紹介しました。


クリックすると拡大表示されます

 

「この歌詞、今の皆さんは、どのように受け止められますか?」
「誰に、何を伝えて、何を伝えていないでしょうか?」
と、冒頭で参加者のみなさんに問いかけて、講演の中身に入っていきます。

 

開業するきっかけになった私たちと家族のエピソード

つづけて、私たちがかわべクリニックを開業するきっかけでもある、綾香さんと亡き祖父とのエピソードを紹介しました。

当時の祖父がもっていた思いは次のようなものでした。

・病院にはあまり通いたくない
・延命治療はいらない
・家で穏やかに(最期まで)過ごしたい
・(家族に)迷惑をかけたくない

 

実は綾香さん本人も含めて、家族は医療関係者が多いのですが、それにも関わらず、祖父の思いを叶えることはできませんでした。

・なぜ、祖父が救急搬送に至ったのか
・なぜ、望まない治療を受けなければならなかったのか

この理由は、4つほど考えられました。
家族だけでなんとかなると思っていた
クリックすると拡大表示されます

今から思えば、家族の心の準備はできていたが、家で穏やかに最期まで過ごすことを望むのであれば、在宅医、地域包括支援センターなど地域と繋がっておかねばならないことを知らなかったのです。

しかし、この悲しい経験は祖母のときに活かされます。
すでに祖父の死から10年が経過していました。

祖母の思い
・延命治療はいらない
・点滴は嫌
・自然な形がいい
・家で穏やかに過ごしたい
・(家族に)迷惑をかけたくない

最終的に祖母は『ありたい自分』で、祖父の元へ逝けました。
祖父と祖母の違いは、なぜ生まれたのでしょうか。

その答えは、ぜひ動画でご確認ください。

当日の配布資料もダウンロードいただけます。

ACP配布資料

クリックするとPDFをご覧いただけます

人生会議(ACP)の意味とは

改めて人生会議、ACPって何でしょうか?

人生会議とは「大切なひとに、自分の思いを伝えること」と言い換えることができます。

医療・介護のことはもちろん、
・家のこと
・ペット
・お葬儀
・財産
…なども伝えておくと良いでしょう。

縁起でもない話だけど、大切にしているひとを思い巡らせる良い機会になり、思いを家族に伝えるきっかけにもなります。

「ありたい自分であるために」
大切にしていること、人、物に思いを巡らせ、伝える。
伝えるか、伝えないかで、未来は変わります。

少し学術的な視点でACPを考える

後半は、少し学術的な視点で、アドバンスケアプランニング(ACP /人生会議)を考えます。

ACPの定義は、
将来の変化に備え、ご家族や大切な方と、
医療、介護従事者が一緒に人生観や価値観、希望に沿った医療やケアなどを話し合うことです。

もしものとき、あなたの信頼する人があなたの代わりに治療やケアについて難しい決断をする場合に重要な助けとなります。

「できる限りのことをしてあげたい」と家族は思うものです。
しかし、本人(自分)がしてほしいと思うこととは必ずしも一致しません。
だからこそ、希望や思いを伝えておかないと、本人の望みは実現しないのです。

話し合いの適切な時期

では「話し合いはいつやればいいの?」という疑問が出てきます。

時期についての決まりはありませんが、以下のタイミングが話しやすいと言われています。

・状態が比較的安定している
・判断が差し迫っていない
・手術、入院など大きな疾患の変化を乗り越えたとき(一度乗り越えているのでリアル)

時期により話し合う内容や気持ちは変わります。
だから、何度も話し合いが必要です。

そして、その気持ちを聞き、実現に向けて地域で関わることが大切です。

在宅訪問診療は思いを実現する選択肢のひとつ

選択肢のひとつとして、「在宅訪問診療」があります。

本人が最期まで住み慣れた自宅で過ごせるように医療を提供するものです。。

在宅医療に関する国民のニーズとして、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答されていますが、実際の自宅看取りは14%程度。これが実情です。
在宅療養移行や継続の阻害要因として、介護してくれる家族に負担がかかるなど、家族支援の問題があります。

患者さん、家族さんだけが抱え込まず、地域とつながることで、様々なサービスを受けることができ、地域で家族を支援できます。

多職種のスタッフで本人の思いを受け止める

ひとりの患者さんに対して関わる地域スタッフは、さまざなま職種にわたります。そのような多職種で連携して、本人の思いを共有します。

・受けたい医療の希望
・希望する療養場所
・気がかりな事
・不安な事(現在、今後)
・自分が大切にしたい事(穏やかになれるもの)

を受け止めて、その実現に向け地域で関わるのです。

患者さんが望むところで最期まで過ごせる地域こそ、豊かな社会ではないでしょうか。
真の地域包括ケアシステム、「自然と」お互いに気軽に相談できる 『誰もが主役の街』 を目指し、つなぐというよりも、「自然と」顔の見えるような関係が築かれるように、私たちは今後もさまざまな活動を行ってまいります。

【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

【第30回布施緩和ケア研修会・布施医師会主催(参加費無料)】

日時:令和5年3月4日(土)18時~20時(17時45分開場)
場所:オンライン(Zoom)(200名)
対象:医療・介護・福祉に関わる職種の方でご興味をお持ちの方
参加費:無料

緩和ケアの新しい景色をテーマに、
『緩和ケア×居場所×地域連携』と題し、

YAMAZAKI KENTARO DESIGN WORKSHOP代表一級建築士 山﨑健太郎 先生
市立東大阪医療センター消化器外科部長 中田健 先生
に基調講演をいただきます。

【申し込み】
第30回布施緩和ケア研修会総会の参加フォーム(外部リンク)

【概要】
第30回布施緩和ケア研修会ご案内
※クリックするとPDFをご覧いただけます。

\\こんな方の参加をお待ちしています//

・これまでに見たことがない新しい緩和ケアの姿を知りたい
・建築家の眼を通した、医療や介護の可能性や改善点を一緒に考えたい
・がん患者さんの全人的ケアを行うため地域の医療スタッフができることを学びたい

緩和ケア×居場所×地域連携… 最前線で活躍される講師の話に直に触れる絶好のチャンスです。

★チャンネル登録お願いします★

東大阪プロジェクトでは、医療介護従事者だけでなく地域包括ケアシステムに関わる皆様に役に立つ情報提供を行っています。
「チャンネル登録」していただければ幸いです。
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