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かわべクリニック ブログ

2023年の抱負 本年もよろしくお願い申し上げます!

謹んで新年のお喜びを申し上げます

開業して8回目の新年を迎えました。
開業以来ずっと、患者さま、ご家族さまのために、私が大切にすべきことは何かを考え、活動してきました。

昨年、私が取り組んだこと。
それは、かわべクリニックの医療およびケアに対して、エビデンスを見直すこと、つまり看護を深めることでした。
その一環として、4月に看護学士取得のため、たちばなエクール(京都橘大学通信教育)に入学。
通信教育のためスクーリングが不要で、日常のクリニック業務を終えた後、日に3時間程度のメディア授業、課題レポート作成、小テスト、そして定期試験と充実した毎日を送ることができています。
「看護管理学」「看護と死生観」といった学問の背景を一端ですが知ることができ、学べる楽しさや看護の深みを感じています。

講義の中で印象に残ったもののひとつに「看護倫理」があります。
2021年3月に改定された看護職の倫理綱領16条に、看護職としてのあるべき姿、行動指針が書かれています。

年始にあたり、この看護倫理綱領をもとに、かわべクリニックの看護職としての目標を立ててみたいと思います。

看護倫理綱領 16条 2021年3月改定

1.看護職は、人間の生命、人間としての尊厳及び権利を尊重する。
→「主語は患者さま」であることを意識し、患者さまが「豊かに生ききる」ために、看護師として何ができるのかを考える。

2.看護職は、対象となる人々に平等に看護を提供する。
→在宅医療・看護において、個別性は重要な視点である。家族構成、関係、パーソナリティーは多様化、複雑化しており、ひとつとして同じケースはないことを理解した上で、患者さまが穏やかに最期まで生ききるための看護を提供する。

3.看護職は、対象となる人々との間に信頼関係を築き、その信頼関係に基づいて看護を提供する。
→患者さまとの信頼関係の構築に時間は関係ない。『聴く力』により苦しみをキャッチし、解決に努める。

4.看護職は、人々の権利を尊重し、人々が自らの意向や価値観にそった選択ができるように支援する。
→特に大切な綱領。
患者さまには、看護ケアや治療について十分な情報を得る権利や、ケアや治療の方針について選択・決定する権利がある。
これらによって患者さまの尊厳が守られることに繋がる。そのため、看護師は、患者さまが何を望んでいるのかを聴き取る力を身につけ、意思決定支援を行わねばならず、選択・決定したことは変更できることをきちんと説明できなければならない。
人の気持ちは状態、状況によって揺らぎ、変化するものである。
看護師はその揺らぎを理解し、その時々での患者さまの希望に添った対応する能力を有さねばならない。
終末期の看取りにおいて、「自然な看取りとは何か」を家族に説明する義務を果たすことで、家族を安心させ、患者の希望に添ったケアを提供できる。

5.看護職は、対象となる人々の秘密を保持し、取得した個人情報は適正に取り扱う。
→患者さまに関わる全ての職種が、ICTを用いて情報を共有し、同じ目標を掲げ、ワンチームとなる。

6.看護職は、対象となる人々に不利益や危害が生じているときは、人々を保護し安全を確保する。
→地域でケアを必要とする人に対して、多職種が連携してケアできる体制を作り、実践する。

7.看護職は、自己の責任と能力を的確に把握し、実施した看護について個人としての責任をもつ。
→在宅医療・看護では、看護師がひとりで訪問を行うため、患者さま宅で観察・アセスメントをする力が求められる。
患者さまの状態や困りごとを明確にしない報告では、看護師が訪問している意義が下がる。
看護師は、医学的・看護学的にアセスメントし、患者さまの全体像がわかるように報告し、指示を仰ぐ習慣を身に付けなければならない。
また、看護師は判断や説明の結果に対する責任があることを意識し、看護を行わなければならない。自らの能力を超えると判断した場合は、サポートを依頼する勇気が必要である。自らを守るだけでなく、患者さまの不利益とならないようにすることは言うまでもない。

8.看護職は、常に、個人の責任として継続学習による能力の開発・維持・向上に努める。
→看護師として、質の高いケアができるよう常に自分自身を磨き、患者さまを主語としたケアを尊重し、より効果的な治療法やケア技術に関する知識・スキルの習得を心がける。

9.看護職は、他職種で協働し、よりよい保健・医療・福祉を実現する。
→地域包括支援センターとともに、多職種の強みを活かし、患者さまにとっての最適を考え、「患者さまを主語」にしたケアを提供できる。

10.看護職は、より質の高い看護を行うために、自らの職務に関する行動基準を設定し、それに基づき行動をする。
→看護師ひとりひとりが年間の目標を立案し、目標達成のために日々努力し、スキルアップを目指す。

11.看護職は、研究や実践を通して、専門的知識・技術の創造と開発に努め、看護学の発展に寄与する。
→地域単位で研修会・勉強会を開催するだけでなく、学術集会での発表も行うなど、クリニック全体として看護知識を向上させる。

12.看護職は、より質の高い看護を行うため、看護職自身のウェルビーイングの向上に努める。
→自らのウェルビーイングの向上のために、自分の健康と幸福、仕事と生活の調和が取れる仕事環境とする。

13.看護職は、常に品位を保持し、看護職に対する社会の人々の信頼を高めるように努める。
→患者さま、ご家族さまにとって安心できる存在、「かわべクリニックと出会えてよかった」と思っていただけるような関わりを意識してケアを行う。

14.看護職は、人々の生命と健康をまもるため、さまざまな問題について、社会正義の考え方をもって社会と責任を共有する。
→患者さまの困りごとを解決するために、日頃から他職種と顔の見える関係を築き、看護師として適切な対応をとる。

15.看護職は、専門職組織に所属し、看護の質を高めるための活動に参画し、よりよい社会づくりに貢献する。
→病気でなくとも地域住民と関わりを持てる場に出向き、積極的に「今できること」について考えることができる。

16.看護職は、様々な災害支援の担い手と協働し、災害によって影響を受けたすべての人々の生命、健康、生活をまもることに最善を尽くす。
→在宅療養における災害時の対策について意識を高めた行動をとることができる。

改めてひとつひとつをじっくりと考えてみましたが、どれも大切な項目です。
クリニックとしての考えをスタッフに共有しておくことで、かわべクリニックが大切にしている「患者さまを主語にしたケア」というベクトルが整います。

本年もお力添えの程、よろしくお願い致します。

【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

>>今週ご紹介する動画<<
【看護記録】 看護記録が苦手 〜できる看護師を目指すあなたに〜

患者さまの「今の問題」「今の苦しみ」「今これが必要だ!と思ったこと」は何かを思い浮かべ、患者さまが話したことや患者さまから得た情報から、どのような苦しみがや問題があり、それに対して自分は何が必要だと思ったのかを考えてみましょう。

是非、ご覧ください!

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