取材を通して〜「豊かに生ききる」について考えてみた〜
こんにちは。医師の川邉正和です。
先日、日本医療デザインセンター様の取材を受けました。
この取材を受けることで、自分の想いを伝えることができるだけでなく、自分自身の想いを整理することができる貴重な機会となりました。
取材記事は、私たちの思いを、本当に上手くまとめてくださっています。
ぜひ、お読みいただければ幸いです。
<取材記事:「在宅医療を、身近に選べる社会へ」>
※画像をクリックすると取材記事に移動します。
最近、多くの方に想いを伝える中で、考える機会が増えたテーマが「豊かに生ききる」についてです。
これは、かわべクリニック開業当初から考え続けてきたテーマでもあります。
このテーマで、東大阪市医師新聞の新春論壇に投稿させていただきました。
その記事をブログでも共有します。
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「豊かに生ききる」について考えてみた
がんと付き合う患者さまが抱く、「最期は自宅で」という思いを支援し、病院と同じような療養生活が送れるように医療サポートを行うこと。
患者さまだけでなく、ご家族の抱える不安の対応や、後悔のないように患者さまやご家族が無理なく介護できるようなサポートを行うこと。
最期まで笑顔を絶やさず、心の通う医療を行うこと。
クリニック開業前に立てた十年計画も半分を超え、残すところあと三年。
当初からクリニックだけで出来ることは限られていると分かっていたため、開業後三年目から東大阪プロジェクトと題し、「出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える〜穏やかなエンディングをみんなで〜」をクレドに、この世界観に共感してもらえる仲間を増やしている。
この東大阪プロジェクトでは、1)エンドオブライフ・ケア研修、2)縁起でもない話をしよう会(アドバンス・ケア・プランニング)、3)いのちの授業を軸に、医療介護職だけでなく、全ての職種が参加することができ、自然と多職種が関われる、真の地域包括ケアシステムの構築を目指し活動をしてきた。
人が集う場所や機会をつくり共通の目的につながる問いを立て、そこで出会った人同士が共感のもとに動き出し解決に向かうことを目標とし、現在も日々活動を続けている。
この活動を通して私が感じた「豊かに生ききる」ことについて、少し考えてみた。
私は「穏やかなエンディングとは豊かに生ききることである」と定義付けている。
それを実現するために、私が大切にしていることは二つある。
一つは、「面」を広げること。
療養場所、心が落ち着く環境・条件、尊厳などの自由に選べる選択肢を複数提供することで、さらに「選択“面”」が大きく広がる。
しかしこの選択肢は、当事者が希望するものでなければ意味がない。つまり、主語を患者さま、ご家族さまにすることが求められる。
そのために大切にしていることの二つ目が、「深さ」。
患者さまとの深い信頼関係を築くために必要なのが「聴く」ことだ。
信頼関係のない人から表面的な浅い提案や選択肢を提供されても、満足度は高まらない。
患者さま、家族さまの話を「聴く」ことにより、現状をしっかりと把握できる。
すると患者さまにとって私達は、これからのことを一緒に考え、相談したいと思ってもらえる存在、「自分を委ねられる存在」となる。
これが、患者さまの安心につながる。
この二つのこと、つまり「面」と「深さ」を掛け合わせた「立体の大きさ」が豊かさなのではないか、と私は考えている。
これからも私達は「豊かに生ききる」を提供するために、「聴く」ことを忘れず、ケアに努めていきたい。
その結果として、患者さまは精一杯に、思ったように生きられる。
希望した場所で、希望した形のケアを受けられる。
患者さま一人ひとりが大切にしている希望が叶えられてはじめて、やり切った、「豊かに生ききった」と思える最期を迎えることができるのではないだろうか。
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今年は「豊かに生ききる」を軸に、色々と物事を眺め、研修会や講演会を開催していきたいと思っています。
皆さんも、一緒に考えてみませんか?
【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
>>今週ご紹介する動画<<
【報告が苦手 ポイントが知りたい! 事例紹介・解説】
伝え方のコツ!( ポイント )
状況、出来事、思案・気付きを順序立てて話せると、忘れられない印象に残る報告になります。
医療職でない方にも参考になります。
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