「特別養護老人ホーム ヴェルディ八戸ノ里」にて講演を行いました
こんにちは。看護師の川邉綾香です。
私はエンドオブライフ・ケア協会の「ファシリテーター」として、東大阪地区で定期的に「エンドオブライフ・ケア」に関する講演を行っています。
先日、介護支援専門員資質向上研修(法定外研修)として「ターミナルケア」の講演をさせていただいたときに生まれたご縁で、特別養護老人ホーム ヴェルディ八戸ノ里様でも講演させていただく機会を持ちました。
施設側からは、
「特別養護老人ホームでも看取りが徐々に増えてきている中、施設スタッフの入れ替わりもあり、人の死に携わったことがないスタッフや、看取り方が分からないスタッフもいる。
施設スタッフとして、ご入居者さまやご家族さまへどのように声を掛け、ケアすれば良いのかを学び、支える介護、寄り添う介護を感じて欲しい。人への尊厳を含め、講演して欲しい」
とのご依頼を受けました。
医療と介護は切っても切れない強い関係です。
施設スタッフの大多数の方にご参加していただき、50名近くの参加者となりました。
ありがたい限りです。
今回は介護士さんが中心の研修会ということで、基本の「反復と沈黙」の説明をできるだけかみ砕いて丁寧に行い、少々ネタも工夫してみました。
講演のテーマは、「苦しむ人への援助~苦しむ人にあなたは何ができますか~」。
講義と演習を通じて、ターミナルケアだけでなく、普段の生活において誰にでもできる具体的な対人援助法を、事例やロールプレイを通じて学びました。
同じ施設内で働く顔見知り同士でのロールプレイということもあり、初めは照れも見られましたが、徐々に熱を帯び、笑いもありつつ、しっかりと役割を演じられていました。
本講演には、主任介護支援専門員 櫻井豪さんにもご協力をいただきました!
ありがとうございました。
研修会終了後、参加者のみなさまの感想を拝読いたしました。
どれを読ませていいただいても、こちらの思いが十二分に伝わったと感じられ、喜びもひとしおです。
そのうちのいくつかを、ご紹介させていただきます。
・自分自身がまだ未熟で、人の死に対して正しい知識を受け止められていませんでした。今回の研修では、「人生」としてその方の心の支えとして寄り添える看取りの過程を分かりやく教えてくださり、ありがとうございました。
・相手の話を聴く、共感することの難しさを実感しました。私は実際に反復して話を聞いていただき「もっと話しても良いのかな」という気持ちになりました。利用者の中でも「死にたい」「帰りたい」等の発言をする方が多くいるので、実践してみたいと思いました。
・ロールプレイが多く分かりやすかったです。反復コミュニケーションを、明日からの現場で活用したいです。
・自分の思ったことを相手に伝えたくて沈黙することなく言葉をつないでしまったり、真剣な重い話の途中での沈黙が辛くて作った笑顔で話を続けてしまったりして、これが原因で相手の本当の思いを引き出せないのでいたのかと反省しました。よい学びができました。
・苦しみをわかってくれる人になれていないと、今までの自分を振り返って思いました。沈黙になると、相手が私に何を求めているのか何を言えばよいのかと色々考え、沈黙に耐えられなくなったりこわくなります。色々な場面を思い返し、自分のコミュニケーションや関わりを振り返れてよかったです。
・反復、沈黙、感情、表情こめての大切なことを学びました。今、小澤先生の本愛読中です。
・終の棲家である特別養護老人ホームですので、死にたいという言葉や家に帰りたいという言葉を利用者さまから聞くことがあります。そんな時、今日勉強したことを少しでも生かせたらと思います。
・いつも、何かしてあげたい、何か元気になれる言葉かけができれできれば、とばかり思っていました。しかし、反復と沈黙でも良いのだ、まずそれをしっかりすることが大切なのだと思いました。
・苦しみを聞くには感性が必要であるとの文章が、ぐっと突き刺さりました。参考にしていきたいと思います。
・普段、利用者様、一緒に働く仲間たちにどれだけの思いを持って接することができているか。声かけや態度を改めて意識しようと思いました。
・施設では間と時間をとることがとても難しい。PHSも鳴る、入居者さまの訴えがある、一人待機の中での間はとても困難であります。その中でも、私は、ターミナルケアについて、もっともっと勉強したいと思います。
・なかなか緩和ケアをしてくださる医師に会えず、私は自分の父を68歳で亡くしました。先生方のような身近なお医者様に出会いたかった。
また、以下のようなご意見もいただきました。次回以降の参考とさせていただきます。
・疑問に思うこと、しっくりいかない部分も当然ありましたが、研修はすごく聞きやすく集中して聞くことができました。楽しく聞けました。
・全てに反復が必要か。“間”と“沈黙”の違いの意味がよく分からない。
初めての特別養護老人ホームでの講演でしたが、どの職員の方も熱心に耳を傾けてくださり、ロールプレイにも参加していただけ、楽しい時間となりました。
これからも、東大阪で在宅医療の輪がもっともっと広がるよう、講演活動を行ってまいります!
誰かの支えになろうとする人こそ、一番支えを必要としています。
私たちのクリニックは、「支えられる人」と「支える人」、みなさまの「支え」になりたい。
いつでも、そう願っています。
7月・8月の講演会・イベントの情報について、くわしくは、こちらの記事をご覧ください。
一人でも多くの方のご参加を、お待ちしております。
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