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「訪問栄養食事指導」とは?

はじめまして!管理栄養士の岡本里紗です。

「在宅医療に管理栄養士が必要なの?」と疑問に思われる方も多くいらっしゃると思いますが、在宅で療養している方にとって「何をどう食べればいいの?」と困ることは多くあります。
また訪問看護師やケアマネージャーの方は、患者さまやご家族さまから食事について質問を受けても、回答が難しい…ということもあるのではないでしょうか。

その悩みを解決するのが、「訪問栄養食事指導」です。
訪問栄養食事指導は、管理栄養士がご自宅または施設へ訪問し、食事についての相談や献立作成、栄養補助食品の紹介などを行います。

訪問栄養食事指導の事例を一つ、ご紹介させていただきます。

最期までお母さまの食事にこだわったAさま

自宅で過ごす糖尿病、肝不全、肝がんのお母さまを献身的に介護していらっしゃった息子のAさま。
お母さまの望む食事を用意し、食事介助していましたが、「今の食事が母にとっていいものなのだろうか」という不安を持っておられました。

そんなAさまのサポートをすべく、管理栄養士による訪問栄養食事指導の介入が始まりました。

初回訪問からAさまは、お母さまがお好きな食べ物、現在の食事内容を細かく話され、普段食べているものを見せてくださいました。
血糖のコントロールに苦戦しておられたAさまでしたが、血糖が上がりやすい食品(牛乳寒天やゼリーなど糖質を多く含む食品)、血糖上昇にあまり影響のない食品(卵豆腐、お肉などたんぱく質を多く含む食品、野菜類)等について指導させていただき、安心してお母さまのお食事に取り組めるようになりました。

その後、徐々に起きていられる時間が短くなり、食事量も少なくなったお母さま。
がん末期で最期の時が近づいていくお母さまに対し、血糖コントロールより少量しか摂れない食事なのでお好きなものを食べてもらうように、とAさまにお伝えしたところ、
「母はお肉が好きなので、昨日、肉屋で牛肉を買って肉うどんを作りました。」
と大好きなお肉を少量召し上がられたことを喜んでおられました。

それから約2か月後、お母さまは息を引き取られました。

この2か月間、在宅での栄養指導の経験が少ない私でしたが、さまざまなことをAさまと一緒に取り組ませていただきました。

栄養士が食事内容を確認することで、介護者であるAさまにご安心いただける。
「バランスが良い」という理由で提案した食事内容は思うように食べていただけなかった。
エンシュア(栄養補助食品)を冷凍し少量ずつ食べさせると、食べてくれる。

患者さま一人ひとりの状況や好みに合わせた対応が訪問栄養食事指導には必要なのだと、改めて実感いたしました。

今行っている食の介護は、正しいのか正しくないのか。
介護する方にとって、毎日の食事に対し不安を持っている方は多いと思います。
そこを栄養士がサポートすることで、患者さまや介護者の毎日の食生活が、安心できるものになるのです。

毎日同じような食事になってしまう。
時間がないので簡単にできるメニューを教えてほしい。
これは食べさせてもよいのでしょうか。
栄養補助食品の味に飽きてしまった。

食べることに対するお悩みは、管理栄養士にお任せください。
医師、看護師、ヘルパーのみなさまと連携をとりながら、よりよい在宅療養になるよう、サポートさせていただきます。

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