「生き方を考えるがん患者グループ ゆずりは」で講演しました
今回の講演のご依頼をいただいたのは「ゆずりは」代表の宮本直治さんからでした。私たちが東大阪プロジェクトで定期的に開催している「縁起でもない話をしよう会」を通して交流のある、同会の定例会でお話をしませんかとご依頼をいただきました。
宮本さんが代表をつとめる「ゆずりは」は、がん患者サポートの会ですが、通常の患者会とはややアプローチが異なります。通常は、患者さんに対し「がんばりましょうね」と勇気づけることを主目的とするのに対して、患者さん自身や家族が「死」と率直に向き合い、同じ経験をした者同士だから理解できる悩みや戸惑いを語り合い、生きる力が湧き上がる会を目指していらっしゃいます。
宮本さんもまた薬剤師として医療の前線で活躍しながらも、自身ががんを患い、大きな戸惑いを乗り越えた経験があります。患者さんと医療者が良い関係を保つには、「思い通りにならない中でも、どのように生きていくのか」を考えることが重要であり、「死ぬ瞬間まで考える人を育てたい」との思いをお伺いしました。
かわべクリニックのクレドに照らし合わせ、私たちの想いにも込めて「上手で豊かな生ききりかた」を講演テーマに設定しました。
講演テーマを決めると同時に、私たちはいつもペルソナを設定します。
ペルソナとは、今回の講演を聞いてくださる方の具体的な姿です。
どのように伝えるべき相手を設定したかを説明します。
具体的なアドバイスとしては…
1. 信頼できる医療チームを見つける
2. 情報を収集する
3. 質問をする
4. セカンドオピニオンを考慮する
5. サポートを受ける
6. 健康的な生活習慣を維持する
7. 治療計画のフォローアップを行う
かなり細かく受講される方の気持ちになって考えてみました。
ここまで考えて、私たちが届けたいメッセージ、本講演のゴールが明確になりました。
結論は「広くものごとを考える人になりませんか」。
サブテーマとして「医師も捨てたもんじゃない!」を設定して、実際に講演しました。
3つの事例をもとに、患者さんに対する姿勢として、
・For PatientからWith Patient、そしてBy Patient(患者さんのそばに)の時代へ
・By Patient となることで主語・主体は患者さんとなる、だから患者さんが考えて思いを表明する必要がある
・私たちは患者さんのそばで、患者さんの想いを叶える人になりたい。
そのために患者さんがどのようにすれば良いのか…それが「上手で豊かな生ききりかた」のお話しにつながっていきます。
講演当日の様子は、動画でご覧いただけます。資料(PDF)も公開しておりますので、あわせてぜひご覧ください。
患者さんは1人かもしれませんが。私たちは医療者として可能な限り「1人にしたくない」と心から思います。
また患者さんやご家族、ご遺族の気持ちを完全にわかることはできないかもしれません。それでも可能な限り「わかろうとしたい」と思います。
また地域の方々が「生ききる」ためには、いばしょが必要です。これまで何度も私たちがブログでもお伝えしている内容との一致も感じました。
大きな会議室に集まってくださった方々とリアルにお会いしながら、60分の講演と60分の座談会を無事に終え、新たな出会いもあり、私たちにも学びの時間となりました。
機会をくださいました宮本先生、
ご参加いただいた皆さま、
本当にありがとうございました。
【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
>>ぜひご参加ください<<
【お知らせ・令和5年度北区居宅介護支援事業者連絡会研修会 (参加費無料)】
主催:北区在宅医療介護連携相談支援室
下記の通り講演会を開催します。
【申し込み】
以下の申込フォームに必要事項をご記入のうえ、
北区在宅医療介護連携相談支援室(FAX:06-6948-8956)
までお申し込みください。
【申込フォーム】
・事業所名:
・氏名:
・電話番号:
・FAX:
日時:令和5年9月22日(金)14時~15時45分
場所:中崎町ホール(大阪市北区中崎西1-6-8)
定員:50名(事前申込制:9/11締切)
対象:在宅医療・介護・福祉に関係する方
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