開院3周年を迎えて
こんにちは。看護師の川邉綾香です。
2018年9月で、かわべクリニックは開院3周年を迎えます。
この3年間は、クリニックの理念でもある
患者さまにとって
こころ落ち着く場所で
こころ安らかに
こころ思うままに
こころを込めてサポートする
の思いで、東大阪市を中心に一生懸命走り回ってきました。
この3年間は、気づきと新たな経験の連続でした。
ときには「最期まで自宅で過ごさせてあげたい」という気持ちが強いあまりに、状況を正しく判断できずにいることもありました。
「誰のための在宅医療なのか」と改めて考えたとき、患者さまが本当に必要としているものは何なのか。医療が中心の療養なのか、看護なのか、ヘルパーなのか、家族なのか…。それを見極めることの重要さを痛感しました。
また、チームワークの難しさと、チームワークが生む力について改めて実感できました。
医師、看護師、ヘルパー、薬剤師など、多職種が連携して患者さまのご希望を提供するのは、困難さが伴います。しかしチームで動くからこそ、それぞれの力を最大限に発揮し、新たな知見が得られることを知りました。
そして、在宅訪問診療はまだまだ世の中に浸透していないな、と寂しく思うこともありました。
患者さまご本人は「最期まで自宅で過ごしたい」と思っていても、そばで支える家族さまからは「最期は病院の方が安心では?」「本当に自宅にいても大丈夫なのでしょうか?」と言われる。それは私たちがご家族に安心感を提供できていないという証であり、在宅医療スタッフの力不足を痛感させられることもありました。
ご家族さまが悩み苦しみ、それでもその患者さまの最期の希望を叶えてあげたいという家族の気持ちに、私たちがどれだけ応えることができるのかを、常に考えてきた3年間でした。
しかし、患者さまが望むような形で穏やかな最期の日々を過ごせたこと、ご家族さまから「ありがとう」という言葉をいただけたこと。
それが私たちの大きな支えとなり、そして明日への活力となって、今日まで頑張ることができました。
3年間で、自宅でのお看取りは約180名。また、ギリギリまで自宅で療養され最期は病院で亡くなられた方は約90名。
その一人一人に物語があり、思い出があり、感謝の気持ちでいっぱいです。
今までの経験とそこから得た気づきを活かし、今後は多職種それぞれが在宅療養におけるプロフェッショナルとして、自ら持つ知識や知恵、愛情を思う存分発揮して、チーム全体で患者さま家族さまを支え、またチーム全体がそれぞれを支えられるような環境作りをしていきたい。
この在宅療養の要となるのは、訪問看護師です。訪問看護師は、患者さまのそばで、患者さまの変化に気づき、心を許せる相手となり得る存在となります。クリニックと訪問看護師との連携を深め、よりよい医療を提供することで、患者さまの最期の希望が現実となるのです。
すべては、私たちを必要としている患者さまのために。
私たちは日々の歩みを止めず、常に前進し、成長していきます。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
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