市民向け講演を終えて
こんにちは。院長の川邉正和です。
「縁起でもない話をしよう会」でのご縁から、先日、市民向けの講演をする機会をいただき、『家族葬 千の風』さまの5周年記念特別セミナーの一環として、
「あなたの身近に在宅医(訪問診療)~住み慣れたご自宅で自分らしく暮らすお手伝い~」
をテーマにお話しさせていただきました。
これまで東大阪プロジェクトでは、主に医療・介護職を対象に啓発活動をしてきました。
しかし、これでは閉ざされた社会になってしまいます。
今年度は市民のみなさまに、自宅で穏やかに過ごすことができ「地域包括ケアシステム」の存在を知ってもらいたいという想いから、講演をお引き受けさせていただきました。
このコロナ禍にあって、約2年ぶりのライブでの講演。
忘れかけていた緊張が何とも心地よく感じたのも、このご時世ならではでしょうか。
今回の講演では
・在宅医(訪問診療)ってどのような時に相談するの?
といった素朴な疑問から
・保険は使えますか?
・休日・夜間に状態が急変したときは?
・大きな病院にも通院しているのですが?
・家で最期を穏やかに迎えることはできますか?
など様々な疑問・質問にお答えしました。
では、早速、お話していきましょう!
1. 訪問診療(在宅医療)とは
訪問診療(在宅医療)とは、ご自身で通院するのが困難な方や介護が必要な方、退院後のケアが必要な方に対して、医師が定期的に診療にお伺いし、計画的に健康管理を行うものです。
定期訪問に加え、緊急時には365日×24時間体制で対応、必要に応じて緊急往診や入院先の手配などを行います。
訪問診療は、俗にいう「往診」とは少し異なります。
往診とは、具合が悪いときに医師が自宅に来て、診察をするものです。
訪問診療では、一般的には、経管栄養の栄養管理、気管切開、在宅酸素療法、人工呼吸器装着などの医療器機を伴う治療が必要な方、そしてがんをはじめとする悪性腫瘍の患者さまがご家族と共にご自宅で安心して生活できるように支えます。
日常の体調管理からターミナルケアまで自宅療養されている方の幅広いニーズに応えます。
当クリニックでは、がんの緩和ケアに力を入れており、がんと診断された早期の時点からご相談に応じ、がん性疼痛管理や症状緩和を行っております。
クリニックによって、得意な分野があること(認知症、神経難病、がんなど)も大切な点です。
【対象となる方】
・通院が困難な方
・退院後にご自宅で療養されている方
・がん・末期・難病などでご家族と一緒に自宅療養したい方
・在宅緩和ケアを希望されている方
【訪問診療エリア】
一般的には半径16km以内とされていますが…
たとえば当クリニックは、河内永和駅そばにあります。
そこを中心に半径16kmの円を描くと、何と兵庫県尼崎市、奈良県王寺町なども範囲内に。
これは、さすがに万一の緊急往診で対応はできません。
当クリニックでは3km(片道20分以内)を目安に範囲を設定しています。
東大阪市(一部東部エリアを除く)、生野区・平野区・東成区(一部)
※対応エリアの詳細につきましてはお気軽にお問合わせください
【在宅医療のポイント】
(1)自宅で診察・診療を受けられる
患者さまが心から安心することのできる自宅での診察・診療が可能です。
事前に決めたスケジュール通り、定期的に医師が訪問しますので病院へ行く手間や、交通費が軽減されます。
(2)待ち時間をリラックスして過ごせます
通院ではどうしても長い待ち時間が発生してしまいます。
また、体調が良くなく、横になりたいと思ってもなかなかそうはできない場合が多いですが、ご自宅ならリラックスして医師の訪問を待つことができます。
(3)各種、保険内での診療が可能
基本的には病院での外来受診と同じで国民健康保険や社会保険、後期高齢者保険など各種保険診療の対象となります。
月2回の訪問診療と24時間対応にかかる費用とで月額約6,000円前後の方が最も多い割合となっております。
(4)24時間365日対応
病気や怪我はいつ何が起こるかわかりません。
緊急時のサポート体制が整っています。万が一の際でもすぐに対応します。
2. 診療までの流れ
ご家族の方が直接、またはケアマネジャーやソーシャルワーカーを通してご相談ください。
診療システムや内容、費用負担などにご同意いただいたのち、初回訪問の日程をご相談の上、決定します。
3. 費用のめやす
費用負担の概算を下記に示します。
標準負担額は月2回訪問および24時間緊急体制に対する1ヶ月あたりの負担金額です。
がんの患者さまなどで医療費が高額になる方では高齢者の場合、限度額が設けられています。(1割負担の方で18,000円、3割負担の方で57,600円)
一般の方でも申請をしていただければ、高額医療費に該当する場合医療費の返還制度があります。
4. 訪問診療のご依頼
このようなときにはご相談ください!
[入院中]
・退院後の生活や介護が心配なとき
・通院は少し難しいとき
・引き続きいろいろな医療機器の使用が必要なとき
・なんとか家に帰りたい、帰したい
・在宅ホスピスケア(疼痛緩和ケア)を希望されるとき
[在宅療養中]
・通院すること自体が難しくなってきたとき
・徐々に体が弱ってきていて心配なとき
・夜なにかあると困ってしまう
最後にもう一度…
[訪問診療の対象となる方]
・ご本人およびご家族が、在宅療養と定期的な訪問診療を希望される方
・通院が困難な方
・訪問範囲内に住まわれている方
・費用についてご了承いただける方
●訪問診療(在宅医療)に関するよくあるご質問 Q&A
Q1.訪問診療とはどのようなものですか?
Q2.訪問診療はどのような人が利用できますか?
Q3.がん以外の病気でも、在宅医療ができますか?
Q4.訪問可能なエリアはどうなっていますか?
Q5.訪問診療を利用する場合、保険は使えますか?
Q6.在宅医療のために、必要な準備はなんですか?
Q7.診察時に家族が同席することはできますか?
Q8.訪問日以外や休日・夜間に体の状態が急変した場合、どのような対応をしていただけますか?
Q9.入院が必要になった場合の対応はどのようなものですか?
Q10.緊急往診をお願いしたいのですが、初めて利用する場合も来ていただくことはできますか?
Q11.今まで使ってきた薬を継続して処方していただくことはできますか?
Q12.薬を取りに行くことができない場合、自宅まで配達してもらうことはできますか?
Q13.家族が施設に入居していますが、診察していただくことはできますか?
Q14.訪問日時の指定はできますか?
Q15.今まで通っていた病院にもかかりながら、訪問診療を受けることはできますか?
Q16.在宅での緩和ケアはどんなことができますか?
Q17.家で最期を迎えることはできますか?
Q18.臨終のときには、どうすればよいのでしょうか?
Q19.まだ訪問診療を受けようか迷っています。まずは相談だけでもすることはできますか?
これらを動画にまとめたものを、「今週の東大阪プロジェクト」でご紹介しています。
ぜひ、ご覧ください。
今年は医療業界以外からの取材を受けたり、また高齢者生活支援等会議や老人センター主催の催しに参加させていただくことが増えています。
お互いを知る機会となり、ふれあい喫茶などでの研修会、シルバー川柳など、リアルに顔の見える関係を築く1年となりそうで、楽しみでしかありません!
長文をお読みいただきありがとうございました。
【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
>>今週ご紹介する動画<<
【訪問診療】どんな時に・誰が・緊急時は・費用は?の疑問に答えます
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