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第28回布施緩和ケア研修会(オンライン)を開催しました。

令和4年5月7日(土)に、「第28回布施緩和ケア研修会・総会」を開催いたしました。
ゴールデンウィーク真っ只中に、「地域連携×緩和ケア」をテーマとして同分野の専門家をお招きしての講演であったこともあり、日本全国各地よりご参加いただけました。

以前からお伝えしておりますように、布施緩和ケア研修会は、医師や看護師などの医療職に加え、介護職など多職種に門戸を広げています。

今回も、司会は“紳士で聞き取りやすい”と好評の福村雄一先生(東大阪プロジェクト代表・司法書士)が担当。
受講者は、医師31名、看護師96名、保健師7名、薬剤師37名、管理栄養士7名、介護支援専門員30名、MSW6名、社会福祉士6名、その他、総勢266名でした。

第一部は、「地域緩和ケア」~その人らしく、穏やかに~と題して、医療法人社団澄乃会 向日葵クリニック院長 中村明澄先生に基調講演をいただきました。

簡単に配布資料をご紹介させていただきます。


※クリックするとPDFをご覧いただけます。

私なりに講演を解釈させていただくと…

テーマである「その方らしく、穏やかに」を実践するための工夫として、まずは穏やかさをもたらすために、解決できることは解決する。
たとえば、痛みのつらさ。
ずっと痛いということが、必ずしも持続痛ではない。
いつから、どこが、どんなふうに…と一歩掘り下げ、「つらさ」を明らかにするアセスメント力を磨くことが、穏やかさを提供できるポイント。

次に、「その方らしく」について。
その方らしい選択に正解はなく、その方の価値観で決まる。
だから、そのためにアドバンス・ケア・プランニング(ACP)がキーとなる。
ACPとは、自らが希望する医療・ケアを受けるために、大切にしていることや望んでいること、どこで、どのような医療・ケアを望むかを自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有すること。
「自分の価値観を知って共有すること」が大切である。「その方らしく、穏やかに」をもたらすには、一歩掘り下げる「アセスメント」、価値観とペースを大切にした「コミュニケーション」、そしてスピード感のある「チーム」が重要。

講演の最後はCicely Saunders氏の”Not doing, but being”の言葉でまとめられました。
主語が本人・家族であることを忘れず心に留め、看取りの現場に携わっていきたいと思いが新たになった講演となりました。

第二部は、奈良県立医科大学付属病院 松本静香さんに座長を務めていただき、「生活を支える支援を知る~地域包括、医師会、行政とともに協力できる支援~」というタイトルのもと、三人のリレー形式でお話をうかがいました。

第一題は、「越谷市医療と介護の連携窓口の取り組み」~地域の暮らしを支えるために~」。
越谷市医師会 医療と介護の連携窓口 在宅医療連携コーディネーター 松家まゆみさんにお話いただきました。


※クリックするとPDFをご覧いただけます。

第二題は、「地域包括支援センターについて」。
社会福祉法人寿栄会 地域包括支援センターレーベンズポルト 本めぐみさんにお話いただきました。


※クリックするとPDFをご覧いただけます。


※動画は近日公開いたします。お楽しみに!

第三題は、「本人の意思決定を支える連携を知る~若年性認知症の方への関わりを通して~」。
東大阪市福祉部高齢介護室地域包括ケア推進課 坂東亞衣子さんにお話いただきました。


※クリックするとPDFをご覧いただけます。

研修会終了後、参加者のみなさまから多数のアンケート結果を頂戴しました。
いつもに増して主催者の想いがしっかりと伝わっていることがわかり、涙が出るほど嬉しく思います。
そのうちのいくつかを、こちらでもご紹介させていただきます。

・望ましい死(その方らしく穏やかに)ということについて、どのように関わっていくべきか、漠然としていたところがありましたが、ご本人やご家族の『思い』を明らかにすることの重要性と難しさについて具体的な経験談を通して教えていただくことができ、理解しやすかったです。
自分の目の前の患者様についても同様に落とし込んでコミュニケーションを図っていけそうです。

・日頃から、利用者さんへのかかわりで悩んでいる部分のヒントをいただけたような気がします。穏やかに過ごす、その方にとっての穏やかとはを追求していく作業なのかなと感じました。

・仲間作り、顔がみえる関係作りに時間がかかり、心が折れそうになりますが、研修に参加して元気をもらいました。ありがとうございました!

・場所は違っても全国で活躍されている方々と出会う機会を毎回与えて頂き、本当にありがとうございます。
本人、家族の立場に立って話を聴く事の大切さを心にとめ来週からも出会う人達と関わっていきたいと思います。

・わたしは独立型のケアマネをしていますので、利用者の支援を全て外部の方にお願いしています。
利用者一人一人に寄り添ったチーム作りをしていく中で医療連携は一番欠かせません。
この研修会に参加させていただき、学びを深め、医療、介護の垣根を取っ払いたいと思います。
ありがとうございました。

・暖かい。時間の流れが穏やかで、地域緩和ケアにふさわしいひとときでした。
誰も置いてゆかず、ギリギリ最期まで希望を捨てず、なんとかしたい方々が、精一杯工夫をされていることが伝わってきました。

・「その方らしく」を実現するためには実際どのようなアプローチを行うべきなのか実際の事例を紹介してくださったことでイメージがしやすく、より理解が深まりました。

・アセスメント力・コミュニケーション力・チーム力、全てがつながり患者さんを支えられる事がよくわかりました。
理解はできるけど、実際に行うことの難しさ、それが合っていたのか、という自問自答は尽きないと思い日々奮闘しています。
研修会に参加すると、何か1つでも成長できた気持ちになります。
ありがとうございます。

・毎回、新たな発見とお土産を頂いています。
ありがとうございます。
Amiカフェ良いですね。
以前、職場(地域医療連携室で退院支援の仕事)で、ケアマネ、施設、訪看等、定期的に学習会をやりたいと提案した事があるのですが、「無理」と却下されました。実現したいなと思いました。
中村先生の基調講演で、あなたならどうしますかの問いに対して、自分自身どうしたいか考えさせていただきました。
地域の地域包括支援センターでは、それぞれいろんな活動を行っていますが、レーベンズボルトの地域連携活動を参考にし、働きかけたいと思いました。
若年性認知症の方とその家族からの相談や交流の場作りについて、坂東さんのお話が勉強になりました。
多職種をつなぐコーディネーター松家さんのご活躍、感動しました。

また、下記のような建設的なご意見もいただけました。

・内容は充実していたと思う。
声の聞きづらさや、四コマ1画面の見づらさがあった。

・シンポジウムは個々の事例紹介のようになっていて、繋がりが感じられなかった。
司会の福村さんと座長の松本さんの役割が混合されており、どこまでがシンポジウムだったのか明確性がなったのが残念でした。

・パネリストの方のお話も興味は惹かれましたが、多くの方が参加しているzoomなので、焦ったり、発表が終わってホッとしているかもしれませんが、普段の会話のような話し方ではなく、客観的に場を作って頂けると、もっと聞きやすいように感じました。
1点だけ、皆様の音量調整がマチマチだったかなと思います。
もし、可能であれば会開催前に発表者お一人お一人のスピーカー量を確認していただき、全員同じくらいの音量ですと、オーディエンス側としてより集中して話をきけるかなとも思いました。

・わかりやすかったが、何か自分の求めていたものとは違っていた。

シンポジスト(行政、地域包括、越谷市医師会窓口)のお話を聞き、いつもに増して燃え上がる自分がいます。
これからも患者さま・ご家族さまのために、誰もがワクワクするような、そしてずっと参加したいと思っていただけるような、多職種が集い共に学べる場所を提供していきます!

そのためには仲間が必要です。
一緒にやってみたいな!と思われたあなたのご参加をお待ちしています!
次回も、地域で関わる多くの職種、多職種連携と緩和ケアの掛け合わせをテーマにしたいと考えています。

東大阪プロジェクト
出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える
~穏やかなエンディングをみんなで~

今後も研修会を定期的に行ってまいります。
ぜひ、ご参加ください。

【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

>>今週ご紹介する動画<<
【あなたの大切にしている尊厳はなんですか@排泄ケア緩和ケア講演会】

がん患者さまの『大切にしている尊厳』をトータルケアできるように、具体的な症例を通して明日から活かせる内容になっています。
医療職でない方にも参考になります。
是非、ご覧ください!

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