「縁起でもない話をしよう会・第15回東大阪プロジェクト」を開催しました
東大阪プロジェクトのクレドは、
出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える
~穏やかなエンディングを~
最近では、オンライン研修会も機器の使用も慣れてきて、移動がなく楽、参加のハードルが低いなど、好意的な意見が多くなってきています。
しかし研修会・講演会後のアンケートで一番多い意見が、「他の参加者との交流がない」ということ…。
東大阪プロジェクトとして、交流の場を提供する活動のひとつとして、「縁起でもない話をしよう会」を開催しています。
この会は、医療や福祉に関わる方々と地元の人々が参加する、鹿児島・妙行寺発の地域交流イベントです。
普段はあえて口には出さない「縁起でもない話」を語り合おう!みんなで!という趣旨で、これからの人生をいかに生ききるかを考える、きっかけ作りの一つです。
テーマが「葬儀」という比較的身近でありながら、考えを巡らすことの少ないこのテーマ。
年度末の忙しい時期にも関わらず、総勢59名もの皆様にご参加いただきました。
本当にありがとうございます。
会の前半は、「葬祭ディレクターのお仕事とは」と題し、一級葬祭ディレクターである山田貴弘さんに情報提供をしていただきました。
「村社会の崩壊で、葬儀が社会のものから個のものに変化しました。
葬儀の常識、スタンダードを学ぶ機会がないまま葬儀を依頼する施主様が世代を問わず増えてきており、葬儀は多様化・簡略化が進んでいます。
そのため、火葬式(直葬)や1日葬など、亡くなった方を偲ぶ時間が限られた葬儀が増えています。
そのような中でもグリーフケアや教育の役割など、葬儀には普遍的な役割があります。
限られた時間の中で葬儀を司る葬祭ディレクターがご遺族に対してどのように接して、どのような想いで仕事をしているのか?様々な取り組みとは?」
会の後半は、テーマに沿って自由に語る会。
「縁起でもない話をしよう会」の唯一のルールは、
「他の参加者の意見を否定しない空間」であるということです。
話題提供で説明のあった「葬儀」を受けて、テーマは、「あなたの考える「ご家族」のお葬式とは?」。
5名のグループに分かれて、20分間(1セット)自由に語っていただき、皆さんで振り返りを行いました。
語った内容はその場だけで、もちろんのこと、外に出ることはありません。
テーマに沿って考えることで、自分が大切にしているもの、こと、ひとなどが自然と整理され、「縁起でもない話」が出来たのではないでしょうか。
会の終了後、参加者のみなさまから感想をいただきましたので、いくつかご紹介させていただきます。
・葬儀のことはACPと同様大事。
・見送りは誰でも関わらなければならない最後の仕事と思います。いろいろと考える機会を与えてくださった研修会に感謝です。ありがとうございました。
・語る機会があったので、自分の思っていることが整理できた。
・身近に経験している事だったので、いつも以上に色々な考えをお聞きして、勉強になりました。
また自分達が家族間の思いのバトンを繋ぐ立場でもある事を学ばしていただきました。
・自分の身内の見送りを特殊と感じていましたが、人の数だけ葬送の景色があり考えがあり、人生の事情も色濃く反映されるものなのだと思いました。
また葬祭業も一つのビジネスではありますが、営利を考える反面、職業そのものに向き合うスタンスは大きく問われるものなのだと改めて感じました。
・葬儀の話も良かったですが、グループワークで体験談や葬儀の種類、金額、ACPの実際、断捨離など、たくさんのお話を聞けたことが、とても参考になりました。
・初めて参加させて戴きましたが、とても気づきの多い、そして温かさを感じる、とても居心地のいい時間と空間でした。
・自分の葬式を考えることはありませんでした。墓じまいや家の処分等の話し合う場に参加できてよかったです。改めて考え、家族と話し合いたいです。
・初めて参加しました。葬儀というものを今一度考える良い機会となりました。
・葬祭ディレクターという仕事についてあまり知らなかったですし葬儀の段取りも今聞いておくことでもしものときに役に立ちそうです。
また後半のグループ対話では医師のお二人とお話しできて楽しかったです。
私もそうでしたが日々死に接する医療者であっても自分や身近な人の死について余り考えない(考える時間がない)ことが多いように感じます。
でも患者さんの死を業務として扱っていますのも淋しいというかもったいないような気がします。
いろいろな死を見つめる医療者だからこそ他の医療者と共有して自分の死生観を作り上げられたら素敵だなと思います。
・皆さんとの出会いに感謝です。
・葬儀について、実際に執り行うまでよくわからないことがありましたが、改めて、葬儀についてお伺いでき、整理ができました。
そして、家族や自分の葬儀について考える機会にもなりましたし、皆さんのお話をお伺いでき、様々な考えに触れることができ、とても充実した気持ちになりました。
温かい会を開催していただき感謝致します。
家族とも、話してみたいと思います。ありがとうございました。
・葬儀に対する考えが家族か、自分かと対象者が変わるだけで、思うことに違いがでるのだと感じました。
・日本人は死について語ることがまだまだタブーとなっています。
でも葬儀について語っておかなければ、いざというときに困ってしまうのは、残された家族であることを今日のグループワークで確認することができました。
死が目の前に迫っていないうちに、死んだときのことを話し合っておくことは大切なことであると思いました。
死んでしまっては、何も語ることはできませんが、葬儀は残された人にとってこの世からあの世へ送り出すための大切なセレモニーと思います。
無宗教の時代とは言え、簡素でも、どんな形でもその人が生きてきたことへの敬意というか、その人を大切に思い送りだすことが大切なのではないかと思わされたひと時でした。
・専門職の幅広い基礎知識を資格として研鑽されておられる方の話を伺えて勉強になりました。
・葬祭ディレクターとして、新しい取り組みの医療介護職からのメッセージカードがスタッフのグリーフケアもなっている点などは興味深かった。
葬儀経験がない人の家族の葬儀となるとなかなかイメージが出来ないとの意見が多かったが、家族の思いに寄り添いたいと思いエンディングノートを渡しているけど、書いてくれないなどの意見があった。
自分の葬儀となると参列者が笑顔で自分のことを話してくれたらそれでいいと全員共通していた。
・家族や自分の葬送について考えることは、死生観や生き方、つながりを考えることに直結していますから、地域や職種の異なる方々のお考えを聞くことができることは、とても貴重な機会だったと思います。
また、下記のような建設的なご意見もいただいています。
今後の運営の参考にさせていただきます。
全ての職種が自然と関われる「真の地域包括ケアシステム」の構築を目指し、東大阪プロジェクトはこれからも講演会・研修会を定期的に開催していきます。
ぜひご参加ください。
【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
>>今週ご紹介する動画<<
【栄養ケア × 緩和ケア 2 穏やかさをもたらすケア 豊かに生ききる】
終末期がん患者さまにおいて、食欲不振は、予後1ヶ月の時点で50%、さらに予後15日を切ると80%を超える多くの方にみられる症状です。「食べたいのに食べられない」「食べないとこのまま弱っていくのではないか」と言った患者さまご家族さまの不安に、援助者として困った経験はありませんか?
是非、ご覧ください。
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東大阪プロジェクトでは、医療介護従事者だけでなく地域包括ケアシステムに関わる皆様に役に立つ情報提供を行っています。
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