身近に潜むセルフ・ネグレクト〜日常診療を通して感じる問題〜
おげんきさまです。
看護師の川邉綾香です。
大阪府保険医協会より大阪保険医雑誌「セルフ・ネグレクト」特集への投稿依頼があり、かわべクリニックでの事例を紹介させていただきました。
提示されたテーマは、「身近に潜むセルフ・ネグレクト〜日常診療を通して感じる問題〜」。
皆さんはセルフ・ネグレクトについてご存知でしょうか。
私も今回の依頼があり改めて確認したところ「なるほど、クリニックでもそういった事例はある」と思い、参考になるのならとお引き受けした次第です。
私はまず、セルフ・ネグレクトについて深く知り、系統立てて学びたいと思いました。
そこでいつも私を支えてくださっている社会福祉士の田中宏幸さんに相談したところ「とりあえず第一弾」というメッセージとともに、お勧めの書籍を紹介してくださいました。
・「ルポ ゴミ屋敷に棲む人々」岸恵美子著 幻冬舎
・「セルフネグレクトのアセスメントとケア」岸恵美子編 中央法規
数日後には、第二弾も!
・支援困難事例と向き合う―18事例から学ぶ援助の視点と方法(岩間伸之)
・セルフ・ネグレクトの人への支援(岸恵美子編集代表)
また、田中さんから、セルフ・ネグレクトの問題の難しさ、精神疾患分野、認知症分野、社会的孤立など、心身ともに支援が必要で、拠り所がないと前に進めないといった課題をご教授いただきました。
時間の許す限り読書に励み、知識を増やし、少々のディスカッションを行った末、私たちが考えたテーマは
「地域包括支援センターからの介入依頼によりセルフ・ネグレクトを解消した事例〜支援の糸口としての診療所の関わり〜」
行政および地域包括支援センター、ケアマネージャーの介入が困難な事例で、医療の介入が必要とされ、結果クリニックに相談があることも少なくありません。
医療により脱水の補正や栄養状態の改善など身体状況を改善する。
そして緩和ケアの知識をフルに活用し「聴く」ことで介入がスムーズに行えます。
そのような事例のひとつをご紹介させていただきました。
ご覧ください。
今回の事例のように、すでに築かれている専門職と患者さまとの信頼関係の中に、他の職種が介入できるようにするためには、日頃からの顔の見える多職種連携が構築されていることが大切でだと改めて感じました。
私たちは東大阪プロジェクトを推進することで、自分たちだけが顔の見える関係を築くのではなく、多くのクリニックと地域包括支援センター、ケアマネージャーを繋ぎ、顔の見える関係を築けるような社会を構築していきます。
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