「それ報告?!」って言われた経験はありませんか?
こんにちは。看護師の川邉綾香です。
今回は看護師が行う「報告」について、例を挙げて考えていきたいと思います。
ある新人看護師がいました。
昨年の春に看護学校を卒業し、右も左も分からなかったところから約1年が経ち、ようやく看護業務にも慣れてきた様子。
患者さまへの訪問前にはきちんと予習も怠らない真面目な彼女。
今日の訪問は、ウロストミー(尿路ストーマ)を造設して退院された 80歳男性・独居です。
では、どのような報告が必要なのでしょうか?
この違いがわかりますか?全く違いますよね。
この報告から患者さま像が浮かびましたか?
どのような人が、どのように生活しているのでしょうか?
この後の流れはどうなりますか?
どんなケア・看護が必要ですか?
看護記録が苦手な人がいるように、報告が苦手という人も多くいます。
医師や先輩看護師に報告するのは今でも緊張するし、「慣れるなんて夢のまた夢…」と思っている人もいるでしょう。
しかも、一生懸命報告したにも関わらず、「聞いていない」と言われてしまったことはありませんか?
相手にとって、記憶に残るような報告をしなければなりません。
といっても、ダラダラ報告してはいけません。
では、どうしたらいいのでしょうか?
以前、記事にした「報告についての記事」も参照ください。
▶シンプルかつ的確な報告ができる!「I-SBARC」を活用しましょう
報告の目的は「患者さまのために、継続的により良い医療・看護・ケアを提供すること」です。
今回、私の伝えたいことは、忘れられない記憶に残るような報告をしてみよう!ということです。
急性期医療はチームで行うことが多く、一人の患者さまに対して多数で関わります。
したがって、報告、記録においても一人の目ではなく数人でカバーし合えます。
一方、訪問看護の場合は、一人で看護に行くことが多いです。
一人で看て聴いて、判断して、実施する。
そこで、大切なのが『報告力』なのです。
報告力で大切なことは、実際に訪問していなくても『映像として浮かぶような報告』かつ、『何を考えたのかを伝えられる力』です。
●まずは、状況と出来事を伝える。
ここでは、聞き手の頭の中に絵が思い浮かぶように話すとよい。
特に初回訪問の場合の訪問後の報告などは、登場人物(患者さまや家族さま)の具体性が必要。
●ディテールを出し続け、そして、セリフを5-7割入れる。
会話(セリフ回し)や頭の中のセリフを入れるなどである。
●そして、まとめとなる思案、気付きを伝える。
さぁ、あることに気付きませんか?
そう!これって、看護記録のSOAPと同じ構造なのです!!
看護記録が書けるようになると、自然と報告上手になります。
反対に、報告上手だと記録もスムーズに書けるようになります。
報告が苦手な人は、まずは看護記録を書いて、頭の中を整理してから報告するのも一つかもしれませんね。
報告中に突っ込まれたことは、記録において必ず書き残さないといけないことなのです。
アドバイスを2度受けないようにするためにも、看護記録、報告内容、どちらも振り返る訓練を続けていきましょう!
今日のブログの出だしを読むだけで、同じ新人看護師でもその人の個性が垣間見えませんでしたか?
実際、会ったこともないのに彼女のことが映像として思い浮かびませんでしたか?
大切なことは、相手の頭の中を支配すること。
これはブログも同じなんです。
状況、出来事が映像として思い浮かぶように、そして、思案・気付きが加わった内容になっていることにお気づきでしょうか。
今後もお楽しみに♪
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