【看取りの報告書】Cさまのこと
かわべクリニックでは、患者様が病院を退院後、最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」をとしてまとめ、病院看護師にお送りしています。
今までかわべクリニックがお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出と共にご紹介していきたいと思います。
【看取りの報告書 バックナンバー】
・Bさまのこと
・Aさまのこと
[看取りの報告書]
退院支援課 T様
いつもお世話になっております。Cさまについて、ご報告させていただきます。
Cさまは帰宅を希望なさっていましたが、娘様は不安のため入院をご希望。話し合いや在宅ケアのご提案の結果、Cさまの思いを尊重し退院となりました。
退院後のCさまは浮腫の増強や腹満もありましたが、利尿剤でコントロールを図り、症状緩和に努めました。サービス精神旺盛なCさまは、訪問のたびに自宅に飾ってある写真を片手に、たくさんの思い出話をしてくださいました。お料理上手な娘さまの食事を少量ながら食され、入浴介助はラグビー部で鍛えたお孫さんが行い、それを何よりも喜んでいらっしゃいました。
状態の悪化に伴い水分摂取量が低下したため、点滴をすすめましたが、「延命になるようなことはいらん。痛みだけ止めてくれたらいい」と最期まで自分の意志表示は明確でした。そのご意思に沿う形で、ご家族さまを中心に我々もサポートさせていただきました。亡くなる2日前まで大好きなタバコを吸い、そして最期はご家族に見守られるなか、安らかに永眠されました。
当初は在宅を不安に感じられていたご家族さまでしたが、娘さま、お孫さま、みなさまで協力して日々を過ごすことができました。
ご家族さまで過ごす最期のときを支えられたことを、私たちも嬉しく思います。
かわべクリニック 看護師 川邉 綾香
[ケアを振り返って]
入院中に、ご本人はもちろんご家族さまが「自宅に帰りたい、帰らせてあげたい」と思っていても、「何かあったらどうしよう」という不安な気持ちから、躊躇してしまいます。
そこで私たちは退院前カンファレンスに参加し、ご本人・ご家族との関係作りを開始しました。「家に帰りたい」は、限られた余命の中の“最期の願い”です。私たちはご本人とご家族さまが安心できる療養生活の提案を行い、最期まで支え続けることで、その願いを叶えられるよう、努めていきたいと思います。。
[ご家族さまからの手紙]
Cさまの一周忌が過ぎたころ、Cさまの娘さまよりクリニックにお手紙をいただきましたので、一部をご紹介させていただきます。
「ようやく春がまいりましたが、みなさまにはお元気でお過ごしのことと思います。
つくづく、父に人生最期の特別な時を自宅ですごさせてあげられて良かったと思っております。川邉先生をはじめみなさまによくしていただき、心から感謝しております。
父の病気が見つかってから亡くなるまで、色々な事がありました。そしてこの一年は、亡くなって初めて父のことを知る一年でもありました。
みなさまにおかれましては毎日お忙しくされてると思いますが、益々のご活躍をお祈りしております。
父に、そして私たちにもお心遣い、ありがとうございます。」
※プライバシーに配慮し、お名前はアルファベットとさせていただきました。
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